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Linux JF(Japanese FAQ)Project.
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  XPostIt README
  David A. Curry 
  v3.3.2, 17 November 1995
  川岸良治 
  v3.3.2j, 1998年11月18日

  XPostIt は、ちょっとしたメモを付箋紙に書いて貼るようなことを X の画面
  上で実現するユーティリティです。このドキュメントは XPostIt Version
  3.3.2 に付属の README を作者の許可を得て翻訳したものです。

  1.  この文書について

  1.1.  Copyright

  Copyright 1991 by David A. Curry

  Permission to use, copy, modify, distribute, and sell this software
  and its documentation for any purpose is hereby granted without fee,
  provided that the above copyright notice appear in all copies and that
  both that copyright notice and this permission notice appear in
  supporting documentation.  The author makes no representations about
  the suitability of this software for any purpose.  It is provided "as
  is" without express or implied warranty.

  このソフトウェアおよびドキュメントをあらゆる目的のために使用/コピー/
  変更/配布/販売することは、これを無料で提供し、全てのコピーに上記の著
  作権表示をし、サポートするドキュメントに著作権表示とこの許可の旨の両方
  を表示することにより許可します。作者は、あらゆる目的に対するこのソフト
  ウェアの適合性についての説明はしません。このソフトウェアは、明示的にも
  あるいは暗黙的にも保証せず "as is" (あるがままの形)で提供されます。

  1.2.  XPostIt とは

  これは X11 Releases 4, 5, 6 用の XPostIt Version 3.3.2 です。 XPostIt
  は、画面上のウィンドウ内にあなた用の小さなノート(メモ)を作り、それを
  ディスクファイルとしてセーブします。これは、本当の Post-it のノートを
  画面の端のあちこちに沢山貼り付けるよりもスマートです。

  (-- 【訳注1】Post-it とは 3M(スリーエム)社が販売している付箋紙の商品
  名です。また、XPostIt のメインウィンドウには格子縞 (plaid) の模様が表
  示されますがこの模様は同社の登録商標です。--)

  1.3.  v3.3.1 から v3.3.2 への変更点

  Version 3.3.2 と 3.3.1(しばらくの間カレントリリースでした) との違いは
  X11R6 のサポートを追加したことで、いくつかのマイナーチェンジが必要でし
  た。

  X11 Release 5 が出た時にリリースされたバージョンである version 3.0 以
  降の XPostIt のこのリリースでは、下記に示す変更をしました。

  主な新しい機能:

  o  ノートの現在の状態(ノーマル、アイコン化、隠し)をノートがセーブされ
     る時に格納するようにしました。xpostit を再起動した時に、全てのノー
     トを最後にセーブした時の状態に戻します。新しいファイルフォーマット
     は古いものに対して上位互換です。(言い換えれば、このバージョンでは古
     いファイルを読み込み可能ですが、古いージョンは新しいファイルを読む
     ことはできません。)

  o  格子縞のウィンドウでマウス左ボタンを押し続けることにより、デフォル
     トサイズのノートを作ることができるようになりました。これはメニュー
     方式に比べ速く簡単にノートを作ることができます。

  o  キーボード・アクセラレーションがインストールされました。これはマウ
     スを使わずにタイトルを設定でき、且つマウスを使わずにセーブできま
     す。

  o  XI18N シンボルを定義することにより、Athena ウィジェットの国際化対応
     でコンパイル可能になりました。これが必要な場合は、必要なリソースの
     設定方法について "XPostit-intl" app-defaults ファイルをご覧下さい。

  バグ修正と変更:

  o  やり損ないのインクルードファイル (X11/copyright.h をインクルードし
     ようとする) を修正しました。

  o  System V UNIX 上で XPostIt をコンパイルするためのパッチを適用しまし
     た。これは Solaris 2.x でもコンパイルと実行が可能です。

  o  アプリケーション・デフォルト・ファイルを白黒用とカラー用のバージョ
     ンに分割しました。カラーのファイルの使用を有効にするには
     "xpostit*customization: -color" というリソースを使います。(R5 のみ)

  o  ".postitnotes" ディレクトリが存在しない場合は、これを作成します。こ
     れは初めてノートをセーブする際に作成されます。

  o  変更されたノートを保持するために、シェルのウィジェットの型が使用さ
     れます。これでノート自体と同じようにノートのタイトルがアイコンを
     伴って表示されます。

  o  タイトルのダイアログボックスと、確認ボタン用のボックスが mwm と
     olwm の下でも適切に動作するようになりました。

  o  タイトルのダイアログは、各々のノートで分離したタイトルとして設定で
     きます。 (これは 3.0 では壊されましたが patch 1 で修正されました)

  o  キーボードのフォーカスをテキストのウィジェットに設定しました。従っ
     てノート内のどこにでもカーソルでキー入力できます。

  o  ノートは WM_DELETE_WINDOW を捉えると、それ自身を隠します。

  o  格子縞のウィンドウは WM_DELETE_WINDOW を捉えると、終了します。また
     WM_SAVE_YOURSELF を捉えると全てのノートをセーブします。 (.saveNotes
     が on の場合)

  o  格子縞のウィンドウをアイコン化すると全てノートもアイコン化されま
     す。

  パッチと助言を頂いた方々、特に Hiroshi Kuribayashi, Brian Walker,
  Rainer Klute, Joe English に感謝します。

  2.  インストール

  XPostIt のビルドは簡単です。Imakefile (X のベストパーツの一つです) が
  添付されているので以下のようにします。

       % xmkmf
       % make

  xmkmf をお持ちでないなら、X をインストールした人から貰って下さい。これ
  は以下のように対処することができます。

       % imake -DUseInstalled -I/X11/config
       % make

  "" は X11 がインストールされているところをポイントしま
  す。imake が見つからないときは、再度 X をインストールした人から貰って
  下さい。私ではなく彼らを怨んで下さいね。

  XPostIt のインストールは、次のようにします。

       % make install

  XPostIt のマニュアルは、次のようにしてインストールします。

       % make install.man

  全てのバグ報告/バグ対策/変更/機能の要求は私にお送り下さい。その際
  version.c のバージョンの文字列も書き添えて下さい。差分を送る場合は
  "diff -c" を使って下さい。

  Dave Curry
  Purdue University
  Engineering Computer Network
  West Lafayette, IN 47907
  davy@ecn.purdue.edu

  3.  訳注

  3.1.  【訳注2】パッケージの入手とインストール

  xpostit3.3.2.tar.gz は、
   から入手できま
  す。このパッケージが ~ ディレクトリにある場合、展開、インストールは

  $ su                                ; 1. root になる
  # cd /usr/local/src                 ; 2. インストール先に移動
  # tar zxvf ~/xpostit3.3.2.tar.gz    ; 3. 展開する
  # cd /usr/local/src/xpostit         ; 4. 展開された所に移動
  # xmkmf                             ; 5. Makefile を作る
  # make                              ; 6. make する
  # make install                      ; 7. バイナリをコピー
  # make install.man                  ; 8. マニュアルをコピー

  のようにすれば OK な筈なのですが、私の環境(Slackware 3.4, PJE0.1)で
  は、すんなりとはいきませんでした。

  先ず6番目の make のところで

       xpostit.c:124: macro 'rindex' used without args
       make:***[xpostit.o] error 1

  というエラーがでました。そこで xpostit.c の 124 行目を

       //      char *rindex();

  のように先頭に '//' を付けてコメントアウトしてみたところ make できまし
  た。

  次に7番目の make install では、

       install -c -s xpostit /usr/X11R6/bin/xpostit
       make: install: Command not found
       make:***[install] error 127

  というエラーになりました。 install というコマンドは cp と同じように
  ファイルをコピーするが、さらにディレクトリの作成、ファイルのパーミッ
  ション、オーナー、グループ等の設定もできる、つまり install = mkdir +
  cp + chmod + chown + chgrp といった感じです。この install コマンドが無
  いというのは変だなと思って調べたところ、 /usr/bin/ginstall というのが
  あるのを発見しました。そこで、

       # cd /usr/bin
       # ln -s ginstall install

  とリンクを張ってみたたところ無事 make install できました。

  3.2.  【訳注3】起動と簡単な動作確認

       $ xpostit &

  と入力すると xpostit が起動し格子縞のメイン画面が表示されます。格子縞
  の上でマウスの右ボタンをクリックするとメニューが表示され、その中から例
  えば "Creaate 3X4 Note" を選択するとノート(いわゆる付箋紙)のウィンドウ
  が表示されます。このノートに文字を書き込んだり、他のウィンドウからペー
  ストしたりできます。ノートはいくつでも開けます。Save ボタンでセーブし
  ておくと次回起動時にそれが表示されます。詳しい使い方は man xpostit で
  調べて下さい。

  3.3.  【訳注4】日本語化

  前記のようにして xpostit が動くことは確認できたのですが、付箋(ノー
  ト)に英語しか入力できないのでは利用する場面が限られてしまいます。この
  xpostit は国際化対応されているので簡単に日本語化できるとのこと (下記、
  参考文献を参照) なので試してみました。先ず、先程作った英語版バイナリは

       # make clean

  で全て削除します。そして Imakefile の

       # DEFINES = -DXI18N

  という行の先頭の # を削除(アンコメント)します。これは国際化(I18N) 対応
  のためのフラグを有効にするということです。この後、

       # xmkmf
       # make

  と実行していけばよい筈なのですが、xmkmf の実行時に X/Xaw/Xawi18n.h と
  いうファイルが無いという旨のエラーが表示されました。本当は Xawi18n.h
  をどこかから見つけてくるべきでしょうが面倒なので、

       59  #ifdef XI18N
       60  // #include 
       61  #endif

  のように xpostit.h の60行目の先頭に '//' を入れてコメントアウトして
  みたらエラーは出なくなり make, make install もできました。

  次に ~/.Xdefaults の最後に以下の行を追加しました。

       !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
       !! XPostit
       !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
       xpostit*International:       True
       xpostit*inputMethod:         vje
       xpostit*fontSet:\
       -misc-fixed-medium-r-normal--14-130-75-75-c-70-iso8859-1,\
       -misc-fixed-medium-r-normal--14-*-*-*-*-*-jisx0208.1983-0

  inputMethod は VJE-Delta を使用している場合は上記のように "vje" を、
  kinput2 の場合は "kinput2" と指定します。これて日本語の表示、入力がで
  きるようになりました。

  参考文献:「Linux を 256倍使うための本」の「Xをいじり倒そう」の章と
  「コンパイルしよう」の章

  3.4.  【訳注5】カラー化などリソースの設定方法

  デフォルトでは xpostit のウィンドウは白黒の2色で表示されますが、これ
  は make install で /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults ディレクトリにイン
  ストールされた白黒用の XPostit という名前のファイルの内容に基づいてリ
  ソースが設定されるためです。このディレクトリには XPostit-color という
  カラー用の設定ファイルもインストールされます。そこで、

       # cd /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults
       # mv XPostit XPostit-ORIGIN             ; 元の XPostit をリネーム
       # mv XPostit-color XPostit              ; カラーの方を XPostit にリネーム

  としたら背景色が黄色などの色付きで表示できました。好みに合わせて色や
  フォントを変更したい場合は、XPostit-color の内容を ~/.Xdefaults に追加
  してから編集するようにすればユーザ毎に異なる設定ができます。

  なお X で使える色の名前は /usr/lib/X11/rgb.txt に一覧があるので、その
  中から選びます。名前からおおよそどんな色かは見当がつきますが、実際には
  どんな色なのかを目で確認したい場合は以下のようにします。 (Tcl/Tk がイ
  ンストールされていること)

       $ cd /usr/lib/tk4.2jp/demos.jp      ; 英語版 Tcl/Tk の場合は .jp が付きません
       $ widget                            ; デモ用のプログラムを起動

  次に「リストボックス 2.色・アプリケーションのための配色を変える」とい
  うデモを実行し、色の名前をダブルクリックします。

  3.5.  【訳注6】XPostit と XPostitPlus, tkPostit

  XPostit とよく似た名前の XPostitPlus というものがあります。これは
   から入手できま
  す。また、Slackware 3.4.0 の 4枚組 CD-ROM の 2枚目
  /cdrom/sunsite/apps/reminder/ にも入っていました。XPostitPlus は
  XPostit をベースに別の作者によってカレンダ表示とかメール送信などオリジ
  ナルに対して多くの機能追加や変更がされたものです。こちらは残念ながら国
  際化対応していないので日本語の表示と入力ができません。 XPostit の国際
  化対応の箇所(grep I18Nで検索する)を参考にすれば XPostitPlus の国際化も
  割と簡単に実現できるのではないかと思う(前述の参考文献からの受け売り)
  ので、どなたか挑戦して、うまくいったら発表して欲しいなぁと思いま
  す。(他力本願)

  もう一つ tkPostit というのもあって、こちらは  から入手できます。これは名前か
  らわかるように Tcl/Tk で書かれています。これを私の環境
  (Tcl7.6jp/Tk4.2jp) で起動してみたところエラーが出たり変な動きをしまし
  た。ドキュメントを見ると、これが作られたのは 1995年9月であり当時の
  Tcl7.0/Tk3.3 を使って開発されているようです。ちなみに Tcl7.0/Tk3.3
  ---> Tcl7.6/Tk4.2 は、削除されたり変更されたコマンドやオプションが結構
  沢山あるようです。

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    Ryoji Kawagishi
      E-mail:    kawagisi@yk.rim.or.jp
      Homepage:  (R.K's Linux Homepage)
                 http://www.yk.rim.or.jp/~kawagisi/
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