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Linux JF(Japanese FAQ)Project.
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  The Linux Printing Usage HOWTO
  by Mark Komarinski 
  v1.2.2, 6 February 1998
  JF Project
  2001/08/31

  1.  はじめに

  この文書は,Linux OS が提供しているラインプリンタ・スプールシステムの
  使用方法を説明するものです。Linux 印刷システムのインストールとセット
  アップを解説した文書「Linux Printing HOWTO」(日本語訳) を補完するもの
  となっています。この HOWTO で紹介する事柄は、 Linux だけでなく BSD 系
  オペレーティングシステムにおいても同じように当てはまるはずです。

  1.1.  Linux Printing HOWTO の履歴

  Mark Komarinski  から:

  この HOWTO のリライトの労をとってくれた Matt Foster に感謝します。彼の
  スタイルを継承するとともに、更新が必要な箇所に手を加えました。

  Matt Foster  から:

  Linux Printing HOWTO は、もともと Grant Taylor 
  と Brian McCauley  によって作成された文書です
  が、このバージョンでは全体を完全にリライトしました。原著で Grant と
  Brian が扱っていた項目についてはなるべくカバーするよう務めましたが、説
  明のスタイルや解説の深さについてはかなり変更を加えています。これによっ
  て、本書はより網羅的な読みやすい文書になったと思っています。読者がそれ
  に同意してくれることを願うばかりです。

  1.2.  更新履歴

  v1.2.2

  o  目次の変更、および新しい RedHat 文書への対応。Ed に感謝!

     v1.2.1

  o  更新と、Dr. Linux publication に関する変更

     v1.2

  o  Windows プリンタについて

  o  印刷ファイルの最大サイズの変更

     v1.11

  o  新しい文書管理者に交代

  o  lpc の情報を追加

  o  トラブルシューティングに情報を追加

  o  画像ファイルの印刷方法

  v1.1

  o  単語の使い方を修正

  o  PostScript ファイルの印刷についてのセクションを追加

  o  例題 8 の一部をより分かりやすくした

  o  基本的な Linux 印刷ユーティリティの情報を更新

  v1.0

  o  Printing Usage HOWTO 初版のリリース

  1.3.  著作権と商標

  この HOWTO に記載された名称の中には、特定の個人や会社の著作物や商標と
  なっているものがあります。本書では、正式名もしくは大文字の略称を使って
  います。

  (c) 1995 Matt Foster (mwf@engr.uark.edu)
  (c) 1996-1997 Mark F. Komarinski (markk@auratek.com)

  Linux HOWTO 文書に基づく翻訳・二次的著作物・結合著作物は、すべてこの著
  作権表示に従わなければなりません。

  すなわち、ある HOWTO 文書から二次的著作物を作成した場合、頒布に際して
  制限的な条件を追加することはできません。ただ、特定の条件下では例外が認
  められるので、詳細は下記の Linux HOWTO コーディネイタに連絡してくださ
  い。

  つまり、われわれは、あらゆるチャンネルを通じてこの文書の情報を広めたい
  と思っていますが、他方で HOWTO 文書についての著作権を保持したいとも考
  えています。HOWTO 文書を再配布する計画があれば、是非われわれに知らせて
  ください。

  質問があれば、Linux HOWTO コーディネイタの Tim Bynum  までご連絡ください。電話番号その他の連絡先につ
  いても、このアドレスにお問い合わせください。

  1.4.  この文書のダウンロード

  この HOWTO を印刷したい場合は、PostScript 版のダウンロードをおすすめし
  ます。版組が美しく読みやすいようにフォーマットされているからです。
  PostScript バージョンは、Linux を配布している数多くのサイトのひとつ
  (SunSITE   等) から入手で
  きます。

  1.5.  フィードバック

  この文書に関する質問・コメント・訂正は、 までお送り
  ください。

  1.6.  謝辞

  本書のアルファ版に目を通し、多くの有益なコメントや提案を送ってくれた全
  ての方に感謝します。そうした方々の中には、送付したコメントがこの文書に
  反映されているのが分かる方がいると思います。

  また、最初のリライトを行ってくれた Matt Foster にも感謝します。

  2.  Linux 上での印刷

  このセクションでは、ファイルを印刷する方法、プリントキューを確認する方
  法、プリントキューからジョブを削除する方法、印刷前にファイルをフォー
  マットする方法、および印刷環境を整える方法について解説します。

  2.1.  Linux の印刷システムの歴史

  Linux の印刷システム、すなわち lp システムは、もともと California 大学
  の人々が BSD (Berkeley Software Distribution) UNIX オペレーティングシ
  ステムのために作成したソースコードを Linux に移植したものです。

  2.2.  lpr  を使ってファイルを印刷する

  まず Linux オペレーティングシステム上で印刷をする最も簡単な方法は、印
  刷したいファイルを印刷デバイスに直接送る方法です。ひとつには、cat コマ
  ンドを使って行うやり方があります。root ユーザになって、次のようにしま
  す。

       # cat thesis.txt > /dev/lp

  上記で /dev/lp とは、実際の印刷デバイス (すなわちドットマトリックスプ
  リンタやレーザプリンタ、タイプセッター、プロッター等) へのシンボリック
  リンクです。(シンボリックリンクの詳細は、ln(1) をご覧ください)

  セキュリティ上の理由から、root および印刷デーモンと同じグループに属す
  るユーザだけしかプリンタに直接書き込むことはできません。lpr や lprm,
  lpq 等のコマンドを使ってプリンタにアクセスしなければならないのはそのた
  めです。

  それゆえ、一般ユーザは lpr コマンドを使ってファイルを印刷する必要があ
  ります。lpr コマンドはファイルの印刷に必要な事前の処理をすべて行った上
  で、制御を別のプログラムである lpd (line printing daemon) に渡します。
  そして、lpd がプリンタに対してファイルの印刷方法を指示するようになって
  います。

  lpr が実行されると、lpr はまず指定されたファイルを特定のディレクトリ
  (スプールディレクトリ) にコピーし、コピーされたファイルは lpd によって
  印刷されるまでそのディレクトリに置かれます。 lpd に印刷すべきファイル
  があるという命令が伝わると、lpd は自分と同じプロセスの分身を作成
  (spawn) (プログラマ達はこれを forking と呼びます)します。そして spawn
  されたプロセスがファイルを印刷する間、オリジナルの lpd プロセスは次の
  リクエストを待って待機します。こうすることによって、複数のプロセスを同
  時にキューに入れることが可能になっています。

  lpr(1) の構文は、ごく一般的なものです。

       $ lpr [ options ] [ filename ... ]

  filename が指定されない場合、lpr は標準入力からの入力を待ちます (通常
  は、キーボードや他のプログラムの出力がこれにあたります)。この機能を使
  えば、コマンドの出力をプリンタスプーラにリダイレクトすることが可能にな
  ります。例えば、
       $ cat thesis.txt | lpr

  もしくは

       $ pr -l60 thesis.txt | lpr

  といった使い方が可能です。lpr コマンドでは、コマンドライン引数を使って
  lpr の動作を制御することができます。よく使われる引数としては、 "-Pプリ
  ンタ名" で使用するプリンタを指定したり、"-h" でバーストページを出力し
  ないようにしたり、"-s" でスプールディレクトリにファイルをコピーするか
  わりにシンボリックリンクを作成したり (大きなファイルの場合に利用されま
  す)、"-#数字" で印刷すべき部数を指定したりします。lpr で複数の引数を使
  う場合は、例えば次のようになります。

       $ lpr -#2 -sP dj thesis.txt

  このコマンドは、スプールディレクトリに thesis.txt ファイルへのシンボ
  リックリンクを張り、dj という名前のプリンタで印刷するというものであ
  り、この dj プリンタ上で lpd による処理が行われます。そして、さらに 2
  冊目の thesis.txt の印刷も行われます。

  lpr コマンドが認識する全オプションの一覧については、 lpr(1) のマニュア
  ルページをご覧ください。

  2.3.  lpq  を使ってプリントキューの状態を見る

  印刷キューの中身を見るには、lpq コマンドを使います。引数なしで実行する
  と、デフォルトプリンタのキューの中身が表示されます。

  lpq の出力は、いろいろな使い道があります。

       $ lpq
       lp is ready and printing
       Rank   Owner      Job  Files                            Total Size
       active mwf        31   thesis.txt                       682048 bytes

  2.4.  lprm  を使って印刷ジョブをキャンセルする

  印刷システムに共通する便利な機能として、一旦キュー上に置かれたジョブを
  キャンセルする機能があります。これを実行するコマンドが lprm です。

  $ lprm -

  上記のコマンドは、そのユーザが所有者となっているプリントジョブをすべて
  キャンセルするものです。単一のプリントジョブをキャンセルする場合は、ま
  ず lpq でジョブ番号を確認して、その番号を lprm に指定します。例えば、
  次の例では

       $ lprm 31

  デフォルトプリンタ上にあるジョブ 31 番 (thesis.txt) をキャンセルしま
  す。

  2.5.  lpc  を使って lpd プログラムを制御する

  lpc(8) プログラムを使うと、lpd が使用しているプリンタをコントロールす
  ることができます。プリンタやプリンタキューの有効・無効を切り替えたり、
  キュー内のエントリの順番を変えたり、プリンタやキューの状態を報告させた
  りすることができます。lpc が最も活躍するのは、一台のマシンに複数のプリ
  ンタが繋がっているような環境です。

       $ lpc

  上記のコマンドで lpc プログラムが起動します。初期設定では、lpc コマン
  ドは対話モードになっているので、そのままコマンドを打ち込めます。また、
  コマンドライン引数として lpc に種々のオプションを指定することもできま
  す。

       $ lpc status all

  利用可能なオプション一覧は lpd のマニュアルページに記載されています
  が、ここでは読者が知りたいはずの主要なコマンドをいくつか紹介します。
  option と記した箇所は、プリンタ名 (lp, print 等) か、全プリンタを意味
  する all というのキーワードが入ります。

  o  disable option - 新規のプリンタジョブが入ることを禁じます

  o  down option - プリンタ上のすべての印刷を中止します

  o  enable option - 新規ジョブがプリントキューに入ることを許可します

  o  quit (もしくは exit) - lpc を終了します

  o  restart option - 当該プリンタの lpd を再起動します

  o  status option - プリンタの状態を表示します。

  o  up option - すべてを有効にして、新しく lpd を起動します

  2.6.  RedHat printtool

  RedHat の高性能 printtool プログラムについて簡単に紹介します。このプロ
  グラムは、magicfilter を使って行っていた処理をすべてこなせるようで
  す。RedHat にはフィルタリング処理をするプログラムがすでに数多くインス
  トールされています。以下に著者が RH 4.0 とパラレルポートに繋いだ HP LJ
  4L という環境で行ったプリンタの設定方法を記載します (RH の他のバージョ
  ンでもおそらく同様の設定になるはずです)。

  o  root になって、printtool を起動します (su を使った場合は、確か
     SETENV DISPLAY :0.0 と xhost + が必要だと思います)。

  o  "Add" をクリックし、ローカルプリンタ用で "OK" を押します。

  o  プリンタデバイスの欄を埋めます (著者の場合は、/dev/lp1 でした)。

  o  入力フィルタの欄を埋めます - プリンタタイプ・解像度・用紙サイズを選
     択します (著者は、ljet4, 300x300, letter size でした)。

  o  "OK" を押して、元に戻ります。その上で、lpd を再起動します。

  手動で /etc/printcap ファイルを複数作る場合と同様に、個々の物理プリン
  タごとに複数のプリンタ定義を作成することができます。用紙サイズや解像度
  の異なる複数のプリンタ定義を作ることができます。

  3.  ファイルの印刷

  このセクションでは、Linux 環境上で作成される種々のファイルを印刷する方
  法について解説します。

  3.1.  グラフィックファイルの印刷

  プリンタでグラフィックファイルを印刷する方法は、一般にそのグラフィック
  ファイルがどういう形式に変換されているのか、どのようなプリンタに送ろう
  としているのかによって異なります。ドットマトリックスの場合は、グラ
  フィックを扱う方法が機種ごとに違うので、一般的な方法というのはありませ
  ん。その場合、最善の方法は使用するプリンタが Epson もしくは IBM
  ProPrinter 互換かどうか確認し、その上でグラフィックファイルを
  PostScript に変換し、ghostscript (次章をご覧ください) を使ってそれを印
  刷することです。

  レーザープリンタをお持ちなら、PCL 互換の場合が多いので、話はもう少し簡
  単になります。その場合、方法は複数あります。プログラムの中には直接 PCL
  形式で出力できるものがあります。それができないときは、NetPBM といった
  プログラムを使えば PCL 形式に変換できます。また、最後の手段として
  ghostscript (次章を参照) を使う手もあります。

  最も完璧な方法としては、まず NetPBM と ghostscript といったパッケージ
  をインストールして、次に magic filter もインストールし、グラフィック
  ファイルを自動的かつ簡単に処理することです。

  3.2.  PostScript ファイルの印刷

  PostScript インタープリタ内蔵のプリンタで PostScript ファイルを印刷す
  るのは簡単です。単に lpr コマンドを使えば、プリンタが必要な処理をすべ
  て行ってくれます。PostScript を処理できないプリンタを持っている場合
  は、別の方法を使うしかありません。さいわい、PostScript を解析して大部
  分のプリンタが理解できる言語に変換するプログラムがいくつかあります。そ
  うしたプログラムの中で最も有名なのが Ghostscript です。

  Ghostscript の役割は、PostScript ファイルのすべての記述をプリンタが理
  解できるコマンドに変換することです。Ghostscript を使って PostScript を
  印刷するには、次のようなコマンドを使います。

       $ gs -dSAFER -dNOPAUSE -sDEVICE=deskjet -sOutputFile=\|lpr thesis.ps

  上記の例で注意すべき点は、-sOutputFile オプションを使ってパイプ処理に
  よって Ghostscript の出力を lpr コマンドに送っているということです。

  Ghostview は、X Window System 用の Ghostscript のインターフェイスで
  す。 Ghostview を使うと、印刷する前に PostScript ファイルの印刷結果を
  プレビューすることができます。Ghostview と Ghostscript は、両方とも
   で入手できます。

  3.3.  PDF ファイルの印刷

  Adobe は Linux 用の Acrobat Reader をリリースしており、Adobe のホーム
  ページ  から入手可能となっています。Acrobat
  Reader の前任者である xpdf も入手可能です。どちらも PostScript 対応プ
  リンタで印刷する必要があります。

  3.4.  TeX ファイルの印刷

  最も簡単な TeX ファイルの印刷方法は、一旦 PostScript ファイルに変換し
  てそれを Ghostscript を使って印刷することです。それには先ず、TeX ファ
  イルを DVI (これは、device-independent の意味です) に変換する必要があ
  ります。これは、tex(1) コマンドを使えば実行できます。その上で、 dvips
  を使って DVI ファイルを PostScript ファイルに変換する必要があります。
  上記の手順には、次にようなコマンドを使います。

       $ tex thesis.tex
       $ dvips thesis.dvi

  これによって出来上がった PostScript ファイルは、先ほど説明した方法で印
  刷することができます。

  3.5.  troff  形式でフォーマットされたファイルの印刷

       $ groff -Tascii thesis.tr | lpr

  か、もしくは

       $ groff thesis.tr > thesis.ps

  といったコマンドを実行して、PostScript ファイルを先ほど説明した方法で
  印刷します。

  3.6.  man  ページの印刷

       $ man man | col -b | lpr

  man ページには予めフォーマットされた troff データが含まれているので、
  強調や下線等を取り除く必要があります。"col" プログラムはその処理を的確
  にこなします。さらに上記ではデータをパイプ処理しているので、man プログ
  ラムは more を使用しません。

  4.  様々な問題

  このセクションでは、これまでのセクションで取り上げなかった事柄を解説し
  ます。

  4.1.  印刷前のフォーマット

  ほとんどの ASCII ファイルは印刷用にはフォーマットされていないので、実
  際に印刷する前に何らかの形でフォーマットしておくと便利です。そうした
  フォーマットの例としては、ファイルにタイトルを入れたり、個々のページに
  パージ番号を振ったり、マージンを設定したり、ダブルスペースやインデン
  ト、多段組などの処理が含まれます。これをするための一般的な方法は、pr
  といったプリント・プリプロセッサを使うことです。

       $ pr +4 -d -h"Ph.D. Thesis, 2nd Draft" -l60 thesis.txt | lpr

  上記の例題では、pr が thesis.txt ファイルを取得し最初の 3 ページを飛ば
  してから (+4)、ページ長を 60 行に設定し (-l60)、出力をダブルスペースに
  した上で (-d)、 "Ph.D. Thesis, 2nd Draft" という一文を各ページの上端に
  付け加えます (-h)。そして、lpr は pr の出力をキュー上に置きます。pr の
  詳しい使い方については、オンライン・マニュアルページをご覧ください。

  4.2.  環境変数 PRINTER

  Linux 印刷システムのすべてのコマンドで、-P オプションが使えます。この
  オプションを使うと、どのプリンタを使用して出力するのかを指定することが
  できます。使用すべきプリンタを指定しない場合、デフォルトのプリンタが出
  力デバイスと見なされます。
  印刷のたびに使用するプリンタを指定せずとも、環境変数 PRINTER に使用し
  たいプリンタ名を設定しておくことができます。設定方法は、シェルの種類に
  よって異なっています。bash の場合は、次のようになります。

       $ PRINTER="printer_name"; export PRINTER

  csh では、次のように設定します。

       % setenv PRINTER "printer_name"

  上記のコマンドは、login スクリプト (bash では .profile、 csh では
  .cshrc) に書き込むこともできますし、コマンドラインから打ち込むこともで
  きます (環境変数の詳細については、 bash(1) や csh(1) をご覧ください)。

  5.  よくある質問に対する答え

  Q1. 階段現象 (staircase effect) を防止する方法は?

  A1. 階段現象 (訳注:行頭が揃わずに、各行が階段状にギザギザになって印刷
  されてしまう現象) が起るのは、行の終了として認識する記号がプリンタに
  よって異なるためです。プリンタのなかには、キャリッジリターン (CR) とラ
  インフィード (LF) のシーケンスで行末が終了すると思っているものがある反
  面 (DOS スタイル)、 UNIX 系システムで利用されるラインフィードのみのシ
  ーケンスで行末が終了すると思っているものもあります。これを解決する最も
  簡単な方法は、お使いのプリンタがこれらふたつのスタイルをなんらか方法で
  切り替えることができるか否かを確認することです。切り替え方法は 2 種類
  あり、DIP スイッチを付け変えるか、プリントジョブ開始時にエスケープシー
  ケンスを送るかのいずれかです。後者の場合には、フィルタを作成する必要が
  あります (Q2 を参照)。

  簡単な解決方法は、コマンドラインでフィルタを使うことです。例えば、次の
  ようにします。

       $ cat thesis.txt | todos | lpr

  Q2. フィルタとは?

  A2. フィルタとは、標準入力 (stdin) からの読み込みを行い、その入力に何
  らかの処理を施した上で、標準出力 (stdout) に書き出しを行うプログラムの
  ことです。フィルタは様々な用途で利用されていて、テキストの整形もそのひ
  とつです。

  Q3. マジック フィルタとは?

  A3. マジックフィルタとは、ファイルタイプに応じて前処理を行うフィルタの
  ことです。例えば、単なるテキストファイルの場合は、通常の方法でそのまま
  ファイルを印刷します。もしファイルが PostScript 等のファイルな
  ら、(ghostscript などの) 別の方法を使って印刷します。マジックフィルタ
  の典型例は、magicfilter と APSfilter です。この種のフィルタを使う際に
  注意すべきなのは、フィルタ自体をインストールする前に、フィルタが使用す
  るプログラムを予めインストールしておく必要があるということです。

  というのも、magicfilter がインストールされるとき、magicfilter はシステ
  ムを走査して特定のプログラム (例えば ghostscript などのプログラム - こ
  れが見つかると、PostScript データを扱えることが分かるわけです) がイン
  ストールされているか確認し、その上で検出したプログラムに基づいてビルド
  されるようになっています。各種印刷ファイルを全て扱えるようにするには、
  最低限以下のプログラムがインストールされている必要があるでしょう。

  o  GhostScript

  o  TeX

  o  NetPBM

  o  jpeg utilities

  o  gzip

  Q4. Windows 印刷システムはどうですか? Linux で動きますか?

  A4. 場合によります。Windows 印刷システム (WPS) のコマンドだけしか受け
  付けないプリンタは、Linux では動きません。WPS に加えてそれ以外のコマン
  ドも受け付けるプリンタ (Canon BJC 610 等) の場合は、WPS フォーマット以
  外のモードに設定されていれば Linux でも動きます。それ以外のプリンタ
  (HP DeskJet 820Cxi/Cse 等) は、Linux では動きません。前述した通
  り、Linux は Win95 マシンのプリントサーバとして動かすことができます
  (Samba についての項目を見て下さい)。Win95 にはそうしたプリンタのドライ
  バが含まれているからです。

  Q5. ひどい! 6 ページ以上の文書を印刷しようとすると、「ファイルが大き
  すぎる」というエラーになる。

  A5. /etc/printcap ファイルのオプションのひとつに、印刷ファイルの最大サ
  イズに関するものがあります。初期設定は 1000 ディスクブロック (約 500k
  程度?) となっています。PostScript 形式のファイルなどでは、画像を含めて
  6 〜 8 ページで容量オーバーになることがあります。プリンタ定義の項目に
  次の行が追加されているかどうか確認してください。

       mx=0

  印刷ファイルの容量を制限するのは、スプールパーティションが満杯になるの
  を防ぐためです。これを防ぐ別の方法として、lpr がスプールディレクトリか
  ら印刷ファイルに対してソフトリンクを張るようにするというのがあります。
  その場合は、lpr コマンドを実行するたびに -s オプションを付けるのを忘れ
  ないようにしてください。

  6.  トラブルシューティング

  このセクションでは、印刷システムの不調の原因をいくつか説明します。

  プリンタが動かない場合は、

  o  他の印刷ジョブは動きますか? (アプリケーションの問題では?)

  o  lpd が走っていますか? (lpc でチェックしてください) (プリントコント
     ローラの問題では?)

  o  root 権限でプリンタに直接命令を送れますか? (プリントサービスの問題
     では?)

  o  DOS からは印刷できますか? (ケーブルやプリンタ本体の問題では?)

  これらの質問に答えることは、問題解決の手がかりになるでしょう。

  このセクションに対する提案は、 まで送ってください。

  7.  参考資料

  このセクションでは、Linux 印刷システムの参考資料を紹介します。できる限
  り適切な資料を掲載しようと思っているので、もし重要な資料が抜け落ちてい
  た場合は、是非著者まで知らせてください。

  USENET グループに質問を投げる前に、以下の事柄を確認してください。

  o  プリンタはジョブを受け付けているか? (lpc(8) コマンドを使って確認で
     きます)

  o  その質問に対する回答が、この HOWTO や Grant Taylor の Printing
     HOWTO に記載されていないか?

  もし上記のうちひとつでも当てはまる場合は、質問をポストする前にもう一度
  考え直した方がいいでしょう。また、最終的にニュースグループにポストする
  ときでも、問題解決に必要な情報をきちんと記載するようにしましょう。
  「lpr が上手くいかないのですが、助けてください」といった質問の仕方はし
  ないようにしてください。そうした質問は、多くの人からほぼ確実に無視され
  ます。使用しているカーネルのバージョン、エラーが出た経緯、そしてできれ
  ばシステム上で表示されたエラーメッセージそのものも記載するようにしてく
  ださい。

     オンラインマニュアルページ

        o  cat(1)  ファイルの結合や印刷

        o  dvips(1)  TeX の DVI ファイルを PostScript に変換

        o  ghostview(1)  Ghostscript を使って PostScript 文書を閲覧

        o  groff(1)  groff 文書フォーマットシステムのフロントエンド

        o  gs(1)  Ghostscript のインタープリタ兼ビューア

        o  lpc(8)  ラインプリンタ制御プログラム

        o  lpd(8)  ラインプリンタ・スプールデーモン

        o  lpq(1)  スプールキュー確認プログラム

        o  lpr(1)  印刷ジョブを生成し、キューに登録

        o  lprm(1)  ラインプリンタのスプールキューからジョブを削除

        o  pr(1)  テキストファイルを印刷用に変換

        o  tex(1)  テキストの整形とタイプセットを行う

     USENET ニュースグループ

        o  comp.os.linux.*  Linux 情報の宝庫

        o  comp.unix.*  Unix OS 関連の話題

  8.  日本語訳について

  日本語訳に関するお問い合わせは、 までお願いします。

  翻訳:佐藤亮一  (1996/10/01)
  更新:千旦裕司  (2001/10/06)

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