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  MS Outlook to Unix Mailbox Conversion mini HOWTO
  Greg Lindahl, lindahl@pbm.com
  1.1, 2001-10-14
  高橋全 (advised by Shintarou Sakai)
  Nov 9, 2001

  このミニハウトゥは、Microsoft Outlook (Express ではない!) の古い電子メ
  ールから一般的な Unix ファイル形式への変換を扱います。
  ______________________________________________________________________

  目次

  1. はじめに
     1.1 ほかの方法
     1.2 著作権
     1.3 免責事項
     1.4 新着情報

  2. 手順
     2.1 準備
     2.2 Linux マシンに (一時的に!) IMAP サーバをインストールする
     2.3 Outlook クライアントをサーバに接続する
     2.4 あらゆるメールをコピーする
     2.5 Linux マシンから IMAP をアンインストールする

  ______________________________________________________________________

  1.  はじめに

  Microsoft Outlook Express 等の形式から Unix の形式に変換するプログラム
  は存在しますが、Outlook の利用者にはもう少し挑戦となる事柄があります。

  Outlook が .PST ファイルに使う、Jet と呼ばれるデータベース書式はここの
  文書に書かれています。

  http://msdn.microsoft.com/library/techart/olexcoutlk.htm
  

  けれども、まだ変換プログラムを書いていないプログラマをやる気にさせるよ
  うなものは、何もないようです。

  幸い、Outlook は IMAP メールサーバと話すことが可能ですから、古いメール
  を IMAP サーバ上に保存することができます。それで、メールを普通の形式に
  変換する一つの簡単な方法は、Linux マシンに IMAP サーバをインストールし
  てそこに電子メールをすべて転送することです。

  1.1.  ほかの方法

  多くは商用ソフトですが、変換ユーティリティのリストがここにあります。

  http://www.emailman.com/conversion/index.html
  

  特に Kmailcvt というプログラムが Outlook のメールボックスを変換できる
  ようになったと宣言されてきました。しかし、Kmailcvt は確かに Outlook
  Express のメールボックスは変換できるとはいえ、この宣言が 100% 本当だと
  確信することはできません。Outlook Express のメールボックスは Outlook
  のとはまったく異なっているのです。それで、もしこれがはっきりしたら、ど
  うか教えてください。

  Netscape が (たぶん Mozilla もでしょうけど) 簡単に Outlook のメール
  ボックスをインポートできると聞いたこともあります。唯一のデータの欠損は
  送信メールの宛て先が消えてしまうということですが、あとのヘッダは保存さ
  れます。しかしやはり、Outlook と Outlook Express との間に混同が見られ
  るため、そして私が本質的に怠け者で実際にその手順を試してみていないため
  に、これも本当かどうかわかりません。それで、もしもわかったなら、どうか
  お知らせください。

  1.2.  著作権

  Copyright (c) 2001 by Greg Lindahl

  どうぞこの文書をあらゆる形態で自由に複写したり配布 (売ったりあげたり)
  してください。求められているのは修正や注解をこの文書の保守管理者に送る
  ことです。派生した作品をつくって配布するときには、

  o  その派生作品を (最適な形式、たとえば SGML で) LDP (Linux
     Documentation Project) か、インターネット上に公表する点でそれに準ず
     るものに送ってください。LDP でないならば、それがどこで手に入るか
     LDP に教えてください。

  o  その派生作品にはこれと同じ使用許可 (ライセンス) を与えるか、GPL を
     使ってください。著作権表示と、用いているライセンスへのポインタだけ
     でも含めてください。

  o  以前の執筆者たちと主要な貢献者たちに、ふさわしい栄誉を与えてくださ
     い。

  もし翻訳以外の派生した作品をつくろうと考えているなら、現在の保守管理者
  と計画を討議することが求められています。

  1.3.  免責事項

  この文書に含まれる情報は、自分の責任において用いてください。私はこの文
  書の内容へのいかなる潜在的な義務をも放棄します。この文書の概念、例、お
  よびその他の内容の使用はまったく各自の責任にあります。

  特に断りのないかぎり、すべての著作権はその所有者にあります。この文書に
  おける表現の用法が、なんらかの商標の合法性に影響するものと考えるべきで
  はありません。

  (この文書における) 製品やブランドの特定の呼称が、それを支持するものと
  みなされるべきではありません。

  主要なインストール作業の前にシステムのバックアップをとること、そして定
  期的にシステムをバックアップすることが強く勧められています。

  電子レンジに猫を入れて作動させてはいけません。

  1.4.  新着情報

  1.01: inetd/xinetd の解説におけるちょっとした入力ミスを修正。

  1.10: Kmailcvt と Netscape についての情報と、Outlook が Excange のモー
  ドになっているときにどうやって IMAP サーバと話させるかの情報を追加。

  2.  手順

  2.1.  準備

  始めるにあたり、自分のマシンに入っている Outlook が IMAP サーバと話せ
  ることを確認する必要があります。このハウトゥを書いた当初は、Outlook と
  言えばただひとつの Outlook を指すという前提でいました。でも違うので
  す。もし Outlook が インターネットモード (POP/IMAP サーバと話すモード)
  でなくて企業/ワークグループモード (Exchange と話すモード) になっている
  ならば、モードを切り換えなければいけません。

  大丈夫かどうかテストするために、Outlook の「ツール」メニュに「アカウン
  ト」という項目があるかどうか見てください。あれば大丈夫です。2.2 項に移
  ることができます。なければ、汗拭きを用意して続きをお読みください。

  モード変更は簡単なことではありませんが、親切な読者 (Matt Huyck) が下記
  の解説を送ってくださいました。これは危険なように思えます。しかも私は試
  したことがありません。

  「ツール」メニューから「オプション」を選び、出てきたオプションダイアロ
  グで「メール配信」のタブに移ります。そのタブのいちばん下に「メールサポ
  ートの再設定」というボタンがあります。息を止めてクリックしてください。
  新しいウィンドウが出てきます。タイトルバーは「Outlook 2000 スタート
  アップ」で、冒頭に「メールサービスオプション」とあるウィンドウです。ふ
  たつのなかから選択するラジオボタンがあるはずです ― 「インターネットの
  み」と「企業/ワークグループ」です。「インターネットのみ」を選んで「次
  へ」をクリックしてください。すると非常に長いメッセージボックスで確認を
  求められます。これは注意深く読むべきです。Exchange クライアントの設定
  に重大な (とはいえ元に戻せる) 変更を与えようとしているからです。まだ気
  を失なっておられなければ、もう息を止めるのをやめて結構です。そうしろと
  はっきり書いてあるわけではありませんが、「はい」をクリックする前にマイ
  クロソフト Office インストール CD のコピーがあることを確認したいと思わ
  れることでしょう。では、「はい」をクリックして、完了までの数分のあいだ
  Outlook に仕事をさせてください。そしてふたたび Outlook を立ち上げま
  す。ここでインストール CD が要求されるはずです。この再設定が終了すれ
  ば、このハウトゥの 2.2 の段階に進む準備ができています。

  Outlook の元の設定に戻るためには、同じやり方に従ってください。しかし確
  実に 『別のほうの』 ラジオボタンをクリックするようにしてください。

  もし Exchange を使ってきたならば、もう一つ異なる点があります。 2.4 の
  段階の最後で見るとおり、「元の『From 』行」は保護されません。しかし、
  「幸いにもその情報は実際は必要ない」という説明は Exchange の利用者に
  とっては全然あてはまりません。その失われる「From 」ヘッダは、内部
  Exchange サーバで送られたメッセージ、つまりどこのインターネットゲート
  ウェイをも通らなかったメッセージにおいて、送信者の身元を明らかにする唯
  一のものなのです。私は「From 」ヘッダを保護するために、メールフォルダ
  の中身を「ファイル」メニューの「インポートとエクスポート」でテクスト
  ファイルとして保存しました。なにか、ひねった Perl や Grep のコードを
  ハックして、その「From 」ヘッダを Linux の mbox ファイルに入れ直させよ
  うと考えています。もしうまくいったらお知らせします。

  2.2.  Linux マシンに (一時的に!) IMAP サーバをインストールする

  インストールに関しては Linux ディストリビューションで異なりますので、
  一例として RedHat 7.0 を用います。まず最初に正しいパッケージをインスト
  ールする必要があります。これは一般的に「imap」という名前になっていま
  す。

        cd /home/redhat-7.0-cd/RedHat/RPMS
        rpm -i imap*

  実際には、私は「ワークステーション」のインストールをしたので、xinetd
  パッケージもインストールしなければなりませんでした ― そうするようにと
  rpm がエラーを出してくれたのです。もちろんこれは RedHat 7.0 の二枚目の
  CD にあります。Debian 利用者は「apt-get」を使えばそうした問題を心配し
  ないですみます。(訳注: Vine にも apt-get がありますし、Kondara でも
  mph-get があるので簡単です)

  次に、IMAP サーバを使用可能にする必要があります。これは普通、
  /etc/inetd.conf というファイルの中のこういう行で制御されます:

        #imap    stream  tcp     nowait  root    /usr/sbin/tcpd        /usr/sbin/imapd

  上に挙げた行はコメントアウトされています ― 冒頭の # マークを除いてく
  ださい。 RedHat 7.0 以降の xinetd を使うシステムでは、その代わりに
  /etc/xinetd.d/imap を編集して、「disable=yes」を「disable=no」に変更し
  てください。

  それから、こうやって inetd や xinetd を再起動します。

        /etc/rc.d/init.d/inetd restart

  または

        /etc/rc.d/init.d/xinetd restart

  両方ともだめでしたら、システムを再起動してください。 (訳注: 新しいディ
  レクトリ構造のシステムでは /etc/rc.d/init.d ではなく、/etc/init.d に
  (x)inetd があるかもしれません。例えば 2.0 以降の Kondara はそのようで
  す)

  この IMAP サーバをそれほど長く使用可能なままにしておきたいとは思われな
  いはずです。このサーバは root 権限で動作しますし、過去にセキュリティの
  バグもありました。このため、ずっと使っていたいというのでない限り、使用
  可能なまま放っておくべきではありません。第 4 段階で使用不可能にしま
  す。

  Outlook をこの IMAP サーバに接続させるためには、その Linux マシンのホ
  スト名か IP アドレスを知っている必要があります。

  2.3.  Outlook クライアントをサーバに接続する

  一切の電子メールをサーバにコピーするために、Outlook クライアントにこの
  新サーバについて知らせなくてはなりません。「アカウント」を「ツール」メ
  ニューから選び、「追加」で「メール」の新規アカウントを指定してくださ
  い。重要な項目は、サーバが電子メールを受け取るために IMAP を使うこと、
  受信メールサーバが第 1 段階で調べた Linux マシンのホスト名か IP アドレ
  スだということ、そして、ユーザ名とパスワードがその Linux マシン上の自
  分のユーザ名とパスワードだということです。(通常、Linux の root アカウ
  ントをこのために使うのは危険なことです)
  いったん「完了」を押してから、この新アカウントを既定値にするため、そこ
  を反転させて「既定に設定」をクリックしてください。Outlook は IMAP サー
  バに接続するはずですし、その IMAP サーバの名前がフォルダ一覧のいちばん
  下にあるはずです。それをクリックしてください ― Inbox フォルダがあるは
  ずです。 (もし「/var/mail/ユーザ名」が Linux マシンに存在しないなら、
  メッセージを INBOX にドラッグしていくことはできないでしょう …… そし
  て、エラーメッセージで頭が混乱することになります。とはいえ、今はそうい
  うことをしようとしているのではありません)

  2.4.  あらゆるメールをコピーする

  この時点で、電子メールをフォルダごと Outlook から IMAP サーバ名の所へ
  とドラッグしていくことができます。これで電子メールを、添付ファイルも全
  部含めて Linux マシンにコピーすることになります。しかし残念ながら、こ
  うすると一瞬にして Outlook からメールが削除されてしまいます。消さずに
  コピーするためには、(「フォルダ一覧」の) フォルダ名の上で右クリックし
  て「(フォルダ名) のコピー」を選びます。その送り先として、リストのいち
  ばん下にある Linux マシンを選んでください。

  とはいえ、人生はそんな単純なものではありません。Outlook はフォルダの中
  にフォルダがあって、その中にまたメッセージがあるというものも扱えます。
  Linux の IMAP サーバはそれを扱うことができません ― というのも、フォル
  ダはメッセージを含む普通のファイルか、サブディレクトリやファイルを含む
  ディレクトリのいずれかなのです。そのため、メッセージもサブフォルダも両
  方含むフォルダが Outlook にあるときは、その階層全体をいっぺんに Linux
  の IMAP サーバにコピーすることはできません。もうひとつ Linux の IMAP
  サーバの非互換性として、新しいフォルダがサブフォルダやメッセージを含む
  ときにはそれを事前に教える必要があるということがあります。これはフォル
  ダを造るとき、そのフォルダ名にスラッシュ (/) を追加するということで
  す。このスラッシュはフォルダが造られるときには見えなくなります。

  それで、フォルダの階層を Linux の IMAP サーバにコピーするためには、ま
  ず既存のフォルダ構造の複製を Linux の IMAP サーバ上に作成する必要があ
  ります。それをしながら、既存フォルダのうち、どれがサブフォルダとメッセ
  ージの両方を含んでいるかメモしておいてください。そのメッセージをどこか
  別の場所へ移すことが必要になるからです。まずいったん階層全体を造ってし
  まって、それから一連のフォルダを Linux の IMAP サーバにコピーできるよ
  うになるというわけです。

  おぼえておくべき最後の非互換性は、Linux の IMAP サーバが、名前にスラッ
  シュ (/) を使っているフォルダを許可しないということです。そうしたフォ
  ルダは、コピーしたり移したりする前に改名しておくことが必要になります。

  Linux マシン上では、フォルダは自分のホームディレクトリに、ファイルや
  ディレクトリとして見えます。このファイルの書式は Unix の普通のメール書
  式で、Unix および Linux のほとんどのメールツールが、直接に扱ったり、そ
  の形式から変換したり、その形式へ変換することができます。添付ファイルは
  MIME で添付されています ― それで、フォルダごとに (意味不明の) ヘッダ
  のメッセージがひとつずつ存在しています。

  (ひとつ無傷ですまないデータがあります。それは元の「From 」行です。それ
  は電子メールのエンベロープアドレスを含んでいるものです。幸い、この情報
  は実際には必要ありません)

  2.5.  Linux マシンから IMAP をアンインストールする

  全部の電子メールを転送してしまったなら、前述したセキュリティ上の理由
  で、 Linux マシンから IMAP サーバをアンインストールしたいと思うことで
  しょう。これにはサーバをインストールするときと同じふたつの段階が関係し
  ています。

  1. RPM を削除する

         rpm -e imap

  2.  /etc/inetd.conf か /etc/xinetd.d/imap から行を削除する

  3.  inetd または xinetd を再起動する。あるいはシステムを再起動する

  ほら! あなたは脱マイクロソフト生活へ向けて、もう一歩踏み出したことにな
  るのです。

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